麻雀の責任払い・包(パオ)とは?ルールや条件について解説します
麻雀には責任払い(中国語で包)と呼ばれるルールが存在します。
麻雀における罰則のひとつですが、具体的にどのような条件で責任払いが発生するか分からない人
も多いのではないでしょうか?
本記事では麻雀の責任払いのルールや条件について詳しく解説していきます。
麻雀の責任払いについて詳しく知りたい人はぜひ参考にしてください。
麻雀の責任払い・包(パオ)の基本ルールとは
麻雀の責任払い・包(パオ)とは、麻雀における細目ルールのひとつで、ある特定の役の和了
(あがり)が発生した時に、その役を確定させる副露(鳴き)でその役を確定させたプレイヤー
が罰則(点の支払い)を受けることです。放銃と同じ扱いになります。
責任払いは通常役満に対して設定されており、役満の和了が行われるとゲームの局面が大きく動
くため責任払いのルールが設けられています。
具体的には、
- 大三元(ダイサンゲン)
- 四喜和(スーシーホー)
- 四槓子(スーカンツ)
などの役に適用されるのが一般的です。
上記の役を覚えておくことで、あなたが責任払いの対象になるのを防ぐことができるのでまずは覚え
ておきましょう。
責任払いが発生する条件と役
- 大三元(ダイサンゲン)
- 四喜和(スーシーホー)
- 四槓子(スーカンツ)
- 大明槓時の嶺上開花(ダイミンカン時のリンシャンカイホウ)
責任払いが発生する役は上記4つです。
実戦ではほぼ大三元しか登場しませんが、ルールとして他の役も覚えておいたほうがよいでしょう。
ここからそれぞれの役について詳しく解説していきます。
大三元(ダイサンゲン)
大三元の場合、役が完成する3種目の三元牌を鳴かせた人が責任払いを行います。
下記に具体的な状況を図で解説しましたので、参考にしてください。
A 東家 大三元を上がった人 B 南家 責任払い対象の人 C 西家 D 北家
東家が既に を副露しており、東家があと が1枚あれば大三元が揃う状況で、
南家が を捨ててしまったことで大三元が確定してしまいました。
ここで東家が和了った場合や南家の放銃の場合は、Aは親なので役満の48,000点(子で
あれば32,000点)を南家が全額支払う形になります。
他の西家か北家が放銃した場合は、南家との折半24,000点(子であれば16,000点)の支
払いになります。
大四喜(スーシーホー)
大四喜は、風牌をすべて刻子もしくは槓子で揃えた場合に成立する役満です。
そのため、東南西北のうち3種類を鳴いている人に、4種類めを鳴かせてしまうと責任払いが発生し
ます。
A 東家 大四喜を上がった人 B 南家 責任払い対象の人 C 西家 D 北家
東家が既に を副露しており、東家があと が1枚あれば大四喜が揃う状況で、
南家が を捨ててしまったことで大四喜が確定してしまいました。
ここで東家が和了った場合や南家の放銃の場合は、Aは親なので役満の48,000点(子で
あれば32,000点)を南家が全額支払う形になります。
他の西家か北家が放銃した場合は、南家との折半24,000点(子であれば16,000点)の支払
いになります。
四槓子(スーカンツ)
四槓子は、暗槓・明槓を問わず、槓子を4つ作ると成立する役満です。
そのため、3回カンをしている人に、4回目のカンをさせてしまうと責任払いが発生します。
A 東家 四槓子を上がった人 B 南家 責任払い対象の人 C 西家 D 北家
東家が既に をカンしており、東家があと が1枚あれば四槓子が揃う状況で、
南家が を捨ててしまったことで四槓子が確定してしまいました。
ここで東家が和了った場合や南家の放銃の場合は、Aは親なので役満の48,000点(子で
あれば32,000点)を南家が全額支払う形になります。
他の西家か北家が放銃した場合は、南家との折半24,000点(子であれば16,000点)の支払
いになります。
大明槓時の嶺上開花(ダイミンカン時のリンシャンカイホウ)
かなりマイナールールですが、初牌をカンさせてその流れで嶺上開花を和了られた場合に責任払いが
発生します。このルールを一躍有名にさせたのは麻雀漫画では珍しくアニメ化もされ、知名度が最も
高い「アカギ」です。
実際、具体的な状況がMリーグでもありました。(Mリーグで採用していませんが)
2022年3月4日のMリーグでの大明槓による嶺上開花でのあがりはこちら。
ただしルールによって責任払いが発生するかどうかは変わってくるので、事前にルールを確認してお
くようにしましょう。
責任払いはMリーグでも採用されている
麻雀の責任払いは今話題のMリーグでも採用されています。
プロ雀士同士が戦うMリーグでも責任払いのルールが採用されているため、これから麻雀を始めるの
であれば覚えておいたほうが良いでしょう。
Mリーグの公式サイトでも下記のようなルールが記載されています。
第8章 包 (パオ)
第1条
パオの適用を受けた場合、ツモアガったら責任払い、別の放銃者がいたら折半払いとなる。
パオの適用は、以下の3種類とする。
(1)大三元→暗槓並びに副露した三元牌二種がある状態の者に、三種類目の三元牌をポン(大明槓)させた場合。
(2)大四喜→暗槓並びに副露した風牌三種がある状態の者に、四種類目の風牌をポン(大明槓)させた場合。
(3)四槓子→暗槓並びに明槓を三種ある状態の者に、四種類目を大明カンさせた場合。
積み場は鳴かせた者が負担する。
和了者がダブル役満以上だった場合、まず確定させた役満と積み棒ぶんを鳴かせた者が支払い、その
後通常のやりとりをする。
(例:一本場で西家が南家の大三元を確定させる牌を鳴かせ、南家の手牌が大三元字一色で、ツモアガった場合 東家16000、西家32300+8000、北家8000 とする)
Mリーグ公式サイト
プロのMリーグでも責任払いのルールが適用されているので、これから麻雀の世界で一般的なルールになってくる可能性も高いです。
競技麻雀における責任払い
尚、競技麻雀で責任払いを採用するかどうかも団体によって差が大きいです。
代表的な競技麻雀のルールは、以下のようになっています。
競技団体名 | ルール内容 |
---|---|
最高位戦日本プロ麻雀協会 | |
日本プロ麻雀協会 | 責任払いはなし |
日本プロ麻雀連盟 | 大三元・大四喜・四槓子の責任払いを採用 |
麻将連合 | 大三元・大四喜の責任払いを採用 |
RMU | 責任払いはなし |
Mリーグ | 大三元・大四喜・四槓子の責任払いを採用 |
責任払いに関するQ&A
- 責任払いにならない役満になるのはなぜ?
- 麻雀の責任払いはローカルルールなの?
- 麻雀の責任払いでリーチ後はどうなる?
麻雀の責任払いに関する良くある疑問は上記の通り。
ここから1つずつ詳しく解説していきます。
麻雀で責任払いのルールがあるのはなぜ?
麻雀で責任払いのルールがあるのは、役満になるのが分かっているのに牌を捨ててしまうことを防ぐ
ためです。
もともとは「コンビ打ちによるイカサマができないように」と考えられた罰則でしたが、現在は放銃
に近い考え方で残っているルールで、「あの人がアガったのは、あなたの捨てた牌で役が確定したか
らなので、責任をとって全額支払ってください」という内容です。
責任払いにならない役満になるのはなぜ?
役満でも字一色、緑一色、清老頭があてはまります。責任払いは、役を確定させてしまった人に対す
る罰則的なルールなので、4回副露をしても確定させられない役は対象にはならないからです。
具体的に図解すると次のようになります。
●字一色(ツーイーソー)の場合:
字牌だけで完成させる役で、4つ副露をしても確定しているとは言えないから。
●緑一色(リュウイーソー)の場合:
のみで構成されていれば、形は特に問題ありませんし、副露しても成立
します。緑色の牌だけで、役を完成するので「緑一色」という役の名前になっています。
は使用しなくてもかまいません。 従って には赤い部分があるので、4つ
副露をしても確定しません。
●清老頭(チンロウトウ)の場合:
数牌(シューハイ)の1と9だけで完成させる役で、4つ副露をしても確定しているとは
言えないから。
麻雀の責任払いはローカルルールなの?
具体的には「大三元(ダイサンゲン)」「四喜和(スーシーホー)」「四槓子(スーカンツ)」に対して適用されるのが一般的で、これらの役満が確定する鳴きをアシストしたプレイヤーに対して罰則がつきます。
責任払いはローカルルールであり、採用しているかどうか、どの役に対して有効かは状況によって異なるため注意が必要です。
麻雀の責任払いでリーチ後はどうなる?
リーチ後の打牌で鳴かれた場合はどうなる? リーチ後に捨てた牌も、責任払いの対象です。
ツモ切りしかできず避けようがない場合でも、それによって役満を確定させてしまえば、責任を取らなくてはいけません。
リーチをする場合は、十分に場の状況や点数を考慮し、嶺上開花は避けるのが難しいですが、大三元・大四喜・四槓子に関しては、責任払いの可能性が拭えない場面ではリーチはかけないほうが無難です。
まとめ:麻雀の責任払いについて理解しましょう
ここまで麻雀の責任払いについてルールや条件を詳しく解説していきました。
責任払いについて事前に理解しておかないと、知らずに高額の支払いが発生する可能性もあります。
実戦ではあまり起こりませんが、Mリーグでも採用されているルールなので覚えておいたほうが良い
でしょう。
麻雀のルールを正しく理解し、素敵な麻雀ライフを楽しんでください。